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MU-MIMOとは?複数台つないでもWi-Fiが遅くならない仕組みをわかりやすく解説

家族みんなでWi-Fiを使っていると、夜の時間帯だけやたら重くなる——そんな経験はありませんか?動画を見ながらゲームもしたい、スマホもタブレットも同時につなぎたいという環境では、ルーターの性能が大きく体感に影響します。

その改善策のひとつが「MU-MIMO(エムユーマイモ):Multi-User Multiple-Input Multiple-Output」です。Wi-Fiルーターが複数の端末と同時に通信を行うための技術で、複数のデバイスをつないでも速度が落ちにくくなるのが特徴です。

ルーターの製品説明でよく見かける言葉ですが、「自分に必要なのか」がわかりにくいと感じている方も多いでしょう。この記事では、仕組みから効果の目安、自分の環境に必要かどうかの判断方法まで、専門知識がなくても理解できるよう順番に解説します。


MU-MIMOとは?「順番待ち」をなくすWi-Fi技術

従来のMIMO(SU-MIMO)は端末を1台ずつ順番にさばいていた

Wi-Fiのルーターには、電波を送受信するための「アンテナ」が複数本搭載されています。アンテナが複数あると、それぞれが別々のデータを同時に送れるため、1本のときより通信が速くなります。この仕組みを「MIMO(マイモ)」と呼びます。

ただし、MIMO技術には2種類あります。古い世代のMIMOは「SU-MIMO(シングルユーザーMIMO)」と呼ばれ、1回の通信で扱えるのは1台の端末だけでした。複数のスマホやパソコンがつながっていても、ルーターは「1番さんに送って→2番さんに送って→3番さんに送って……」と超高速で切り替えながら対応していただけです。

これは銀行の窓口に例えるとわかりやすいでしょう。窓口が1つしかない銀行では、お客さんがいくら来ても1人ずつしか対応できません。他の人は自分の番が来るまで待つしかない。接続台数が増えれば増えるほど、1台あたりの「待ち時間」も長くなります。

MU-MIMOで複数台を同時に処理できるようになった仕組み

「MU-MIMO(マルチユーザーMIMO)」の「MU」は「Multiple User(複数ユーザー)」の意味です。名前のとおり、複数の端末に同時にデータを送れるようにした技術です。

先ほどの銀行の例で言えば、窓口が複数に増えたイメージです。Aさん・Bさん・Cさんがそれぞれ別の窓口で同時に対応してもらえるため、待ち時間が大幅に短くなります。

技術的には「ビームフォーミング」という機能を活用しています。ビームフォーミングとは、複数のアンテナを使って電波をピンポイントで特定の方向に集中させる技術です。MU-MIMOはこれを活用し、複数のアンテナビームをそれぞれ異なる端末の方向へ向けて、同時に通信することを可能にしています。

Wi-Fi 5・Wi-Fi 6・Wi-Fi 7でのMU-MIMOの違い

MU-MIMOはすべてのWi-Fi規格で同じというわけではなく、規格によって性能が大きく違います。

Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)のMU-MIMO

Wi-Fi 5でMU-MIMOが初めて導入されましたが、この世代ではダウンリンク(ルーターから端末へのデータ受信)のみに対応していました。また、同時に通信できる端末数は最大4台までです。動画の受信など「受け取る方向」の通信には効果がありましたが、ビデオ会議のように端末からルーターへデータを送る「アップロード」の方向には恩恵がありませんでした。

Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)のMU-MIMO

Wi-Fi 6では大きく進化し、ダウンリンクに加えアップリンク(端末からルーターへの送信)にも対応しました。さらに同時通信できる端末数も最大8台に拡張されています。テレワークで映像を送りながら資料もダウンロードするような使い方でも、より安定した通信がしやすくなります。

Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)のMU-MIMO

Wi-Fi 7ではさらに強化され、空間ストリーム数がWi-Fi 6の2倍となる最大16台の同時通信に対応しています。スマート家電やIoT機器の増加で接続端末が10台を超える家庭も珍しくなくなった今、Wi-Fi 7のMU-MIMOは大きな恩恵をもたらします。ただし、16×16 MU-MIMOはWi-Fi 7認証のオプション機能であり、すべてのWi-Fi 7対応ルーターが最大16台に対応しているわけではありません。購入時にはスペック表で確認しましょう。

規格MU-MIMOの方向最大同時端末数
Wi-Fi 5(802.11ac)ダウンリンクのみ最大4台
Wi-Fi 6(802.11ax)ダウンリンク+アップリンク最大8台
Wi-Fi 7(802.11be)ダウンリンク+アップリンク最大16台

MU-MIMOを使うとどんな変化がある?効果と向いているシーン

複数台接続でも速度が落ちにくくなる

MU-MIMOの最も大きなメリットは、「つながっている端末の数が増えても速度が落ちにくくなる」点です。SU-MIMOの場合、端末が4台・8台と増えるにつれて1台あたりの通信機会が減り、体感速度が下がります。MU-MIMOでは複数端末に同時に電波を届けられるため、接続台数が多い環境での速度低下を抑えられます。

効果が出やすいのは、同時に複数の端末がデータを受信または送信している状況です。たとえば次のようなシーンが当てはまります。

  • 家族がそれぞれ別の部屋でスマホやタブレットで動画を見ている
  • テレワーク中にビデオ会議をしながら、別の端末でファイルをダウンロードしている
  • ゲーム機・スマホ・スマートテレビが同時につながっている

MU-MIMOが効きやすい環境・効きにくい環境

MU-MIMOは「魔法のように全体が速くなる技術」ではありません。効果には条件があります。

効きやすい条件

  • 接続端末が3〜4台以上あり、同時に通信している
  • ルーターと端末の距離が比較的近い(電波が届きやすい状況)
  • ルーターと端末の両方がMU-MIMOに対応している

効きにくい・恩恵が薄い条件

  • 接続端末が1〜2台しかない(SU-MIMOとほぼ変わらない)
  • 端末がMU-MIMOに非対応(旧機種の場合は自動でSU-MIMOで動作)
  • ルーターから遠かったり、壁などの障害物が多い(ビームフォーミングの精度が落ちる)

一人暮らしで端末が1〜2台だけという方は、MU-MIMOの恩恵を感じにくいかもしれません。一方で、家族が多く端末の数も多い家庭では、体感の違いが出やすくなります。

Wi-Fi 6のOFDMAとの組み合わせでさらに安定する

Wi-Fi 6ではMU-MIMOに加えて「OFDMA(オーエフディーエムエー)」という新しい技術も導入されています。MU-MIMOとOFDMAは別物ですが、同じ目的(複数端末の同時通信効率化)を異なるアプローチで実現しており、Wi-Fi 6ではこの2つが組み合わさることで大きな効果を発揮します。

簡単に言うと

  • MU-MIMO
    アンテナのビームを複数方向に向けて、同時に「複数の宅配便」を届けるイメージ(大きなデータのやりとりに向いている)
  • OFDMA
    電波の周波数を細かく区切って複数の端末に同時割り当てるイメージ(小さなデータが頻繁にやりとりされる環境に向いている)

スマホのLINEメッセージのように、小さなデータをやりとりする用途ではOFDMAが特に効果的で、動画受信のような大きなデータにはMU-MIMOが有効です。Wi-Fi 6ではこの2つが補完し合うことで、接続端末が多い環境でも安定した通信が期待できます。

Wi-Fi 7ではさらにMLO(マルチリンクオペレーション)という技術が加わり、複数の周波数帯を同時に使って通信できるため、MU-MIMO・OFDMAとの組み合わせで混雑環境への耐性が一段と高まっています。


MU-MIMOのデメリットと注意点

端末とルーター、両方の対応が必要

MU-MIMOの効果を受けるには、ルーターと端末の両方がMU-MIMOに対応していることが必要です。ルーターがMU-MIMO対応でも、接続するスマホやパソコンが対応していなければ、その端末はSU-MIMOで動作します。つまり、MU-MIMO対応のルーターを買ったからといって、すべての端末が自動的に恩恵を受けられるわけではありません。

ただし、非対応端末を接続しても通信が切断されるわけではなく、SU-MIMOとして普通に動作します。MU-MIMO対応端末がつながっているときにはMU-MIMOが機能し、非対応端末にはSU-MIMOで対応するという形で自動的に切り替わります。

ストリーム数(同時通信できる台数)に上限がある

MU-MIMOで同時通信できる端末数には上限があります。Wi-Fi 5では最大4台、Wi-Fi 6では最大8台です。接続端末の数がこれを超えた場合、超過分の端末は順番待ちになります。

また、スペック上は「8台同時」と記載されていても、実際には消費電力・電波状況・処理負荷によって、カタログ値どおりに機能しないこともあります。MU-MIMOはあくまでも「効率化の技術」であり、接続台数が無制限に増えても速度を保てる仕組みではありません。

距離や障害物があると効果が落ちる

MU-MIMOはビームフォーミングを使って特定の端末に向けて電波を集中させる技術です。そのため、ルーターと端末の間に壁や家電などの障害物が多い場合や、距離が遠い場合は電波の精度が落ち、MU-MIMOの効果が弱くなります。

隣の部屋や別のフロアから接続する場合は、MU-MIMOよりも「メッシュWi-Fi」(複数のルーターを設置して家全体をカバーする仕組み)の方が改善効果が高いケースもあります。まず電波が届いているかどうかを確認し、届いていない場所があるなら設置場所の見直しを先に行うのが効果的です。


自分の端末・ルーターがMU-MIMO対応か確認する方法

ルーターのスペック表での確認方法

ルーターがMU-MIMOに対応しているかどうかは、製品のパッケージやメーカーの公式サイトに記載されているスペック表で確認できます。以下のような表記があれば対応しています。

  • 「MU-MIMO対応」と明記されている
  • 「IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5)」または「IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)」に対応と記載されている(どちらもMU-MIMOを含む規格)
  • 「MIMO: 4×4」「MIMO: 8×8」など、アンテナ数が複数記載されている

なお、Wi-Fi 4(802.11n)はMU-MIMOに対応していません。「11n対応」のみのルーターは、MU-MIMOの恩恵を受けられないため注意してください。

スマホ・パソコンの対応を調べる方法

スマホやパソコンがMU-MIMOに対応しているかを調べるには、以下の方法が確認しやすいです。

スマホの場合
各メーカーの公式サイトで機種の仕様ページを開き、「無線LAN」「Wi-Fi」の欄を確認します。「IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5)」または「IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)」に対応と記載されていれば、MU-MIMOに対応していると考えてよいでしょう。iPhoneではiPhone 8以降の多くの機種がMU-MIMOに対応していますが、モデルによって異なるため、Apple公式サイトの各機種仕様ページで確認してください。

パソコンの場合
WindowsパソコンはデバイスマネージャーやWi-Fiアダプターの仕様から確認できます。「設定」→「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fi」→「ハードウェアのプロパティ」から接続している規格を確認し、「802.11ac」または「802.11ax」が表示されていれば対応しています。

「自分にMU-MIMOは必要?」判断の目安

MU-MIMOが特に有効かどうかを判断するための目安を以下にまとめました。自分の状況と照らし合わせてみてください。

MU-MIMOの恩恵を受けやすい(対応ルーターへの乗り換えを検討する価値あり)

  • 家族が多く、スマホ・タブレット・テレビなど複数の端末が常時つながっている
  • 夜の時間帯にWi-Fiが遅くなると感じている
  • テレワーク中にビデオ会議と資料ダウンロードを同時に行う
  • ゲーム・動画視聴・テレワークを複数人が同時に行う

MU-MIMOの恩恵が薄い(現状のルーターで十分な可能性)

  • 自分専用のスマホ1〜2台しか使わない
  • 接続する端末がMU-MIMOに非対応の旧機種ばかり
  • ルーターから遠い部屋で使うことが多く、そもそも電波が届きにくい

ルーターだけ変えても根本的に改善しない場合は、接続する端末側の対応状況や、光回線の品質も合わせて見直すことが重要です。


Wi-Fi環境をまとめて改善したいなら光回線も見直しを

光回線の品質がWi-Fi速度の土台になる

MU-MIMO対応のルーターに替えても、インターネット自体の速度が遅ければ体感は変わりません。光回線はWi-Fi環境の「根っこ」にあたる部分で、回線の品質がWi-Fiの実効速度を左右します。

特に「夜だけ遅い」「プロバイダを変えたら速くなった」という話をよく聞きますが、これはプロバイダのネットワーク設備の差によるものです。現在多くのプロバイダが採用している「IPv6 IPoE」は、従来の「PPPoE」方式と比べて混雑しにくい接続方式です。夜間の速度低下も抑えやすいので、MU-MIMOと合わせてプロバイダ側の接続方式も確認しておきましょう。

BB.excite光なら初期費用ゼロで試しやすい

光回線の乗り換えは工事や費用が気になるところですが、BB.excite光は初期費用・工事費・契約事務手数料・解約金がすべて無料。月額料金だけで使えるので、まず試してみるハードルは低いです。

また、IPv6 IPoE接続に対応しているため、夜間の混雑が気になる方にも向いています。「夜になるとWi-Fiが遅くなる」という悩みをお持ちの方は、ルーターのMU-MIMO対応だけでなく、プロバイダの乗り換えも一緒に検討してみましょう。

BB.excite光の主なプランと月額料金

BB.excite光は、すべて初期費用・工事費・解約金は無料です。安心してはじめられます。

BB.excite光 10G(最大10Gbps)

超高速を求める方向けのプランです。4K動画・オンラインゲーム・テレワーク・家族の同時接続など、あらゆる用途を快適にこなしたい方に。月額4,730円(戸建て・マンション共通)で、初期費用・工事費・解約金はすべて無料。新規申込後2ヶ月目に事業者変更で9,460円の全額返金制度もあります。

BB.excite光 MEC(最大1Gbps)

コストを抑えながら安定した速度を求める方に。マンションは月額3,850円、戸建ては月額4,950円。IPoE対応で夜間の混雑にも強く、工事費・解約金は無料です。マンション向けの永年割引オプションも用意されています。

BB.excite光 Fit(段階料金制)

月による使用量の差が大きい方向けの段階料金制プランです。マンションは月額2,640円〜、戸建ては月額3,520円〜で、工事費も無料です。

BB.exciteモバイル(格安SIM)と同時利用すると、音声SIM1枚あたり月額220円〜1,100円の割引も受けられます(最大5枚まで)。

詳細はBB.excite光の公式サイトでご確認ください。 https://bb.excite.co.jp/bbhikari/


まとめ

MU-MIMOとは、複数の端末に同時にデータを送受信できるWi-Fi技術です。従来の方式(SU-MIMO)が1台ずつ順番にデータをやりとりしていたのに対し、MU-MIMOは複数台を同時に処理することで待ち時間を減らし、接続台数が多い環境での速度低下を抑えます。

Wi-Fi 5では受信(ダウンリンク)のみ・最大4台同時、Wi-Fi 6では送受信の両方に対応し最大8台同時、さらにWi-Fi 7では最大16台同時と世代ごとに進化しています。Wi-Fi 6以降ではOFDMAとの組み合わせ、Wi-Fi 7ではMLOも加わり、混雑環境での安定性がさらに高まっています。

ただし、効果を受けるには端末とルーターの両方が対応していることが必要で、接続台数が少ない環境では恩恵を感じにくいこともあります。「複数台接続でWi-Fiが遅い」と感じている方は、ルーターのMU-MIMO対応とあわせて光回線の品質も見直すと、改善につながるケースが多いです。

監修者

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監修:エキサイト株式会社 BB.excite事業部

エキサイト株式会社のBB.excite事業部は、インターネット接続サービスを通じて、快適で安定したネット環境を提供しています。光コラボレーションモデルを活用した「BB.excite光 MEC」や「BB.excite光 10G」など、多様な回線プランを展開し、ユーザーのライフスタイルに合わせた選択肢を用意しています。本記事では、光回線の基礎知識や設定のポイントを、初心者にもわかりやすく、正確にお伝えすることを心がけています。

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