「動画を見たがって泣きやまない」「気づいたら知らない画面を開いていた」。幼児のいる家庭にとって、スマホとの付き合い方は毎日の悩みです。周りの家庭がどうしているのか、何歳から使わせてよいのかも気になります。
結論から言うと、未就学児に専用のスマホは必要ありません。 この時期は「親のスマホを、安全な設定にして、短時間だけ貸す」が基本形です。この記事では、国の調査データで実態を確認したうえで、貸す前にやっておきたい設定と、発達を心配しすぎないための考え方を解説します。
小学生になってから専用スマホを検討する段階の方は、「子どもに初めてスマホを持たせる前に|セキュリティ設定ガイド」と「小学生のスマホ制限はどこまで必要?」をご覧ください。
未就学児のスマホは「親の端末を借りる」が標準
データで見ると、幼児期のスマホは「自分専用」ではなく「親と共用」が圧倒的多数です。 まず実態を確認しましょう。
0〜9歳の72.7%は、親のスマホを共用している
こども家庭庁の「令和6年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」に、実態を示すデータがあります。スマートフォンでインターネットを利用する低年齢層(0〜9歳)の子どものうち、72.7%は親と共用です。自分専用のスマホが多数派になるのは10歳からで、未就学児で専用機を持つのは少数派です。
つまり「うちはまだ専用スマホを買っていないけれど大丈夫?」という心配は不要です。むしろ幼児期は、親の端末を貸す前提で安全対策を整えるほうが理にかなっています。

平日でも1日約2時間9分。幼児のネット利用は珍しくない
同じ調査では、インターネットを利用する低年齢層の子どもの平日1日あたりの平均利用時間は約2時間9分でした。スマホやテレビ経由の動画視聴などを含む各機器の合計で、内訳では「趣味・娯楽」が約1時間42分を占めます。
動画や知育アプリに触れること自体は、いまや標準的な子育ての風景です。問題は使わせるかどうかではなく、時間と中身をどう整えるかにあります。
未就学児にSIMや契約は不要。費用をかける段階ではない
親の端末を貸す形なら、子ども用の通信契約(SIM)は必要ありません。外出先での見守り用にキッズケータイやGPS端末を検討する家庭もありますが、未就学児は行動をほぼ保護者と共にするため、急ぐ必要はありません。
スマホにお金をかける段階は小学生以降です。幼児期は費用ゼロで、設定と関わり方だけ整えておきましょう。
iPhoneを貸す前にやっておきたい3つの設定
親のiPhoneを貸すときの心配ごとは「別の画面を開く」「勝手に買う」「長く見続ける」の3つです。 それぞれ標準機能で対策できます。
アクセシビリティの機能で、画面を1つのアプリに固定する
iPhoneには、使えるアプリを1つに固定する「アクセスガイド」という機能があります。「設定」のアクセシビリティの項目から有効にできます(名称・場所はiOSのバージョンにより多少異なります)。動画や知育アプリを開いてから固定すれば、子どもがホーム画面に戻ったり、メールや写真を開いたりできなくなります。
「気づいたら知らないアプリを操作していた」という幼児期のヒヤリとする場面は、この機能でほぼ防げます。
購入とApp内課金を承認制・認証必須にする
iPhoneの利用時間管理機能「スクリーンタイム」にある「コンテンツとプライバシーの制限」から、アプリの購入やApp内課金を制限できます。あわせて、購入時に必ずパスワードや顔認証を求める設定にしておけば、タップ連打による誤購入を防げます。
幼児は「買う」という概念がないまま画面に触れます。金額の大小にかかわらず、購入の入り口は閉じておくのが安心です。

自分(親)の端末にも、スクリーンタイムの時間制限は使える
スクリーンタイムは子ども用端末専用の機能ではありません。親自身のiPhoneに、動画アプリの1日の上限時間を設定しておくという使い方ができます。上限が来ると画面にお知らせが出るため、「今日はおしまい」の区切りを機械に言ってもらえるのが利点です。
終わりの合図を親の口だけで伝えるより、切り替えがスムーズになる家庭は多いものです。
Androidを貸す前にやっておきたい3つの設定
Androidにも、親の端末のまま安全に貸すための機能がそろっています。 ポイントはiPhoneと同じ3つです。
画面のピン留めで、1つのアプリだけ使える状態にする
Androidには、画面を特定のアプリに固定する「アプリ固定(画面のピン留め)」機能があります。「設定」のセキュリティ関連の項目から有効にできます(名称・場所は機種やOSのバージョンにより異なります)。固定を解除するにはロック解除の操作が必要なので、子どもが勝手にほかの画面へ移ることを防げます。
Google Playの保護者による使用制限と、購入時の認証
Google Playの設定では、表示されるアプリや動画に年齢の目安を設けられる「保護者による使用制限」が使えます。あわせて、購入時に必ず認証を求める設定にしておけば、誤タップによる課金を防げます。
ファミリーリンクは子ども用アカウントの管理に使う仕組みのため、親の端末を貸す段階では必須ではありません。この2つの設定だけでも、幼児が触れる範囲は十分に絞れます。
子ども向けアプリを入り口にする(YouTube Kidsなど)
動画を見せるなら、通常のアプリではなく子ども向けに設計されたアプリを入り口にしましょう。たとえば「YouTube Kids」は、子ども向けコンテンツに絞ったうえで、タイマーで利用時間を区切れます。ただしタイマーの解除には簡単な計算問題かパスコードを使うため、パスコードを設定しておくのがおすすめです。
未就学児向けには、外部リンクや広告経由の遷移が少ない「その画面の中で完結する」アプリを選ぶのが基本です。
発達への影響は「時間の長さ」と「関わり方」で考える
「スマホを見せたら発達に悪いのでは」という不安には、公的な目安を知ることが役立ちます。 心配しすぎも、無制限も避けられます。
公的な目安:2歳未満は非推奨、2〜4歳は1日1時間未満
世界保健機関(WHO)は、5歳未満の子どもについて、画面を見て過ごす時間の目安をガイドラインで示しています。2歳未満には推奨せず、2〜4歳は1日1時間未満に抑えるという内容です。日本の眼科関連学会もこのガイドラインを紹介しています。
前述のとおり実態の平均は約2時間9分なので、多くの家庭で目安を上回っています。まずは「動画は1日◯分まで」と家庭の上限を決め、タイマーやアプリの制限機能で区切りをつけることから始めましょう。
「一緒に見る」が何よりの安全対策になる
総務省の「デジタル時代の子育て」ガイドは、未就学児のネット利用の心構えを示しています。対象年齢を守ること、成長段階に応じて活用すること、そして保護者が関わることの3点です。同じ動画でも、隣で「おもしろいね」「これは何かな」と言葉を交わしながら見ると、一方的な視聴が親子の対話に変わります。
食事の準備中など、どうしても1人で見せたい場面はあって当然です。「1人で見る時間」と「一緒に見る時間」の両方があれば大丈夫、と考えましょう。
親のスマホ習慣が、子どもの手本になる
同じ総務省ガイドは、大人自身のスマホとの付き合い方にも触れています。子どもは「スマホは取り合うもの・ずっと見るもの」という感覚を、親の使い方から学びます。
「食事中は家族全員が触らない」のように、大人も一緒に守るルールを1つ作ると、幼児期からスマホとの健全な距離感が家庭の文化になります。これは小学生以降のルールづくりの土台にもなります。

小学生に向けた準備と、よくある質問
幼児期の関わり方は、数年後のスマホデビューの準備でもあります。 先の見通しと、よくある疑問をまとめます。
小学生になったら:専用端末と「見守りの設定」へ移行する
前述のとおり、自分専用のスマホが多数派になるのは10歳からです。専用端末を持たせる段階になったら、子ども用アカウントを作り、スクリーンタイムやファミリーリンクで見守りを設定します。準備の全体像は「小学生のスマホ制限はどこまで必要?」、設定の手順はiPhone向け・Android向けのガイドで確認できます。
なお、その段階で通信費を抑えたい場合は、格安SIM(大手キャリアより料金を抑えやすい通信サービス)が選択肢になります。格安SIM「BB.exciteモバイル」の段階制Fitプランなら、音声通話SIMの場合、低速通信のみで月額495円、3GBまで月額690円(税込)から利用できます。初期費用と解約手数料は0円なので、子どものスマホデビューの時期に合わせて気軽に始められます(ドコモ回線・au回線に対応)。
▶ BB.exciteモバイル公式サイト
よくある質問(FAQ)
Q. 幼児に子ども用のGoogleアカウントやApple Accountは必要ですか?
A. 親の端末を貸す段階では不要です。専用端末を持たせるとき(多くは小学生以降)に、保護者が子ども用アカウントを作成します。
Q. 動画を見せすぎてしまいます。急にやめさせると泣くのですが。
A. 「あと1回で終わり」の予告と、タイマーやアプリの制限機能による機械的な区切りを組み合わせるのが定番です。終わりの基準が毎回同じになると、子どもは次第に切り替えを覚えます。
Q. 何歳から自分のスマホを持たせるべきですか?
A. 決まった正解はありませんが、データ上は10歳で「自分専用」が多数派になり、中学入学前後がデビューの集中期です。生活の必要(通塾・留守番など)が生まれたときが検討のタイミングです。
まとめ
未就学児のスマホとの付き合い方について、この記事のポイントを振り返ります。
- 実態:0〜9歳の72.7%は親と共用。専用スマホやSIMはまだ不要
- 貸す前の設定:iPhoneはアクセスガイド、Androidは画面のピン留めでアプリを固定し、購入は認証必須に
- 時間の目安:WHOは2歳未満は非推奨、2〜4歳は1日1時間未満。タイマーで区切りをつける
- 関わり方:一緒に見る時間を作り、大人も一緒に守るルールを1つ決める
- 先の見通し:10歳前後の専用機デビューに向けて、幼児期から「区切る習慣」を育てておく
幼児期のスマホは、禁止か放任かの二択ではありません。安全な設定と短い時間、そして親の関わりがそろえば、心配しすぎずに付き合っていけます。
▶ 持たせる段階の全体像:子どもに初めてスマホを持たせる前に|セキュリティ設定ガイド
▶ 小学生の制限の目安:小学生のスマホ制限はどこまで必要?
▶ BB.exciteモバイルの詳細:https://bb.excite.co.jp/exmb/sim/



