中学生になると、スマホをめぐる悩みは「持たせるかどうか」から「どこまで制限を続けるか」に変わります。小学生のときと同じ強さの制限を続ければ反発され、すべて外せば使いすぎやトラブルが心配になります。
この記事では、国の調査データをもとに中学生のスマホ利用の実態を確認し、残すべき制限とゆるめてよい制限の分け方、反発を生まないルールの決め方を解説します。設定の操作手順そのものは、iPhone向け・Android向けの初期設定ガイドに分けてまとめています。
小学生のお子さんの場合は、「小学生のスマホ制限はどこまで必要?」からお読みください。
中学生のスマホ制限は必要。ただし小学生と同じやり方では続かない
中学生にも制限は必要です。一方で、小学生向けの「全部親が決める」方式をそのまま続けると、うまくいかなくなります。 まずデータから実態を見てみましょう。
中学生の8割超がスマホを利用し、ほぼ全員が「自分専用」
こども家庭庁の「令和6年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、契約されたスマートフォンでインターネットを利用する中学生は82.0%にのぼります。しかも、スマホを利用する中学生の95.3%が「子ども専用」の端末を使っています。
小学生(10歳以上)のスマホ利用率が46.2%であることと比べると、中学入学は日本の子どものスマホデビューが集中する節目です。周囲のほとんどが持っている環境では、「持たせない」という選択は難しくなり、「どう持たせるか」が現実的な論点になります。
勉強と睡眠を削る、平日約5時間2分のネット利用
同じ調査では、インターネットを利用する中学生の平日1日あたりの平均利用時間は約5時間2分でした(スマホやゲーム機、学校配布端末など各機器の合計)。小学生(10歳以上)の約3時間44分から、1時間以上増えています。
中学生の生活時間は、授業・部活・塾でほぼ埋まっています。そこに5時間のネット利用が入り込むと、削られるのは睡眠と家庭学習です。中学生の制限の目的は「悪いものから遠ざける」だけでなく、「生活時間を守る」ことに変わっていきます。
親は「ルールを決めている」、子どもは「決まっていない」と思っている

同調査には、見過ごせないデータがあります。家庭でのルールについて、中学生の保護者の82.1%が「ルールを決めている」と答えたのに対し、中学生本人で「決めている」と答えたのは73.0%でした。高校生ではこの差がさらに広がります(保護者61.1%に対し本人46.6%)。
つまり、親が「決めたつもり」のルールの一部は、子どもにルールとして認識されていません。 中学生の制限がもめる原因の多くは、制限の強さそのものではなく、この認識のずれにあります。後半で紹介するルールの決め方は、このずれを埋めることを目的にしています。
残す制限とゆるめる制限を分ける
中学生の制限は「全部残す」でも「全部外す」でもなく、仕分けが答えです。 目安は「お金と安全に関わるものは残す、時間の管理は本人に移していく」です。
残すもの①:フィルタリングは18歳未満の間、法律でも前提
フィルタリングとは、アダルトサイトや出会い系サイトなど、子どもに有害なページやアプリを自動で遮断する仕組みです。「青少年インターネット環境整備法」という法律にも位置づけがあります。携帯電話会社には、そのスマホを使う人が18歳未満かを確認し、必要性を説明して端末で有効にすることが求められています。契約者が保護者であっても、使うのが子どもであれば対象です。
保護者側でやることは2つです。ひとつは、契約するときに「使うのは子ども」と伝えること。法律上、契約者にはこの申し出が求められています。もうひとつは、携帯電話会社が案内するフィルタリングを、端末で有効にしてもらうことです。
外したいときは保護者が申し出れば解除できますが、中学生になったから外す、という性質のものではありません。
年齢に合わせて制限のレベルを調整することはできます。「中学生になったから一段ゆるめる。ただしフィルタリング自体は高校生まで続ける」と、本人に方針ごと伝えておきましょう。
残すもの②:課金の承認制。金額のトラブルは自己管理に移せない
ゲームやアプリの課金は、中学生のスマホトラブルの中でも金額が大きくなりやすい領域です。アプリの入手や課金に保護者の承認を求める設定は、中学生の間はもちろん、高校生になっても残すことをおすすめします。設定名は、iPhoneが「承認と購入のリクエスト」、Androidが無料の見守り機能「ファミリーリンク」の購入承認です。外す目安は年齢ではなく、本人が自分のお金で料金を払うようになったときです。
承認制は「禁止」ではありません。本人が理由を説明して保護者が納得すれば買える、という家庭内の稟議の仕組みと捉えると、お金の使い方の練習にもなります。
ゆるめるもの:時間の制限は「本人が決めて、親が承認する」へ
利用時間の上限や夜間の休止時間は、中学生からは本人の自己管理に移していく領域です。おすすめは、上限時間を本人に提案させて、保護者が承認する方式です。

iPhoneの見守り機能「スクリーンタイム」やファミリーリンクには利用状況のレポートがあるので、「先月の実績」を親子で見ながら次の設定値を決められます。数字をもとに話すと、感覚のぶつけ合いになりにくく、守れたら延ばす・守れなかったら戻すという調整も納得感を持って行えます。
13歳で見守りの仕組みが変わることを知っておく
中学生の見守りには、技術的な前提がひとつあります。13歳を境に、GoogleもAppleもアカウントの扱いが変わることです。 詳細は専用記事に譲り、ここでは要点だけ押さえます。
Androidの場合:13歳の誕生日にメールが届く
ファミリーリンクで管理しているAndroidの場合、13歳になるとGoogleから親子にメールが届きます。管理を続けるか、13歳以上向けの設定に更新するかを選ぶ内容です。何もしなければ管理は続きます。解除の操作は子ども本人から始められますが、18歳未満の場合は保護者の承認がないと停止は完了しません。
くわしい仕組みと対応は「ファミリーリンクは13歳になるとどうなる?」で解説しています。
iPhoneの場合:スクリーンタイム管理中は子どもがファミリーを抜けられない
iPhoneのスクリーンタイムには13歳の節目の通知はなく、設定は自動では変わりません。さらにAppleのルールでは、スクリーンタイムで管理されている13歳以上19歳以下の子どもについて、自分の操作だけでは家族のグループ(ファミリー共有)を抜けられないと定められています。
くわしくは「スクリーンタイムは13歳以上でも使える?」にまとめています。
中学生からのスマホデビューでも、見守りは設定できる
「もう13歳を過ぎたから、見守りの設定は手遅れ」ということはありません。13歳以上の子どもにも、本人の同意や本人アカウントのファミリー追加によって、見守りを新しく始められます。設定の手順はiPhone向け・Android向けのガイドをご覧ください。
反発を生まない親子ルールの作り方
中学生のルールづくりで大切なのは、内容よりも決め方です。 冒頭のデータが示すとおり、親が一方的に決めたルールは、子どもの側では「決まっていない」ことになりがちです。
ルールは文字にして、お互いが見える場所に残す

話し合いで決めたルールは、口約束のままにせず、紙やメモアプリに書き出して家族で共有しましょう。書き出す内容は3点で十分です。
- 決めたこと(例:平日は21時にリビングで充電する)
- 理由(例:睡眠時間を7時間確保するため)
- 見直しの時期(例:学期ごとに話し合って調整する)
「見直しの時期」を最初から入れておくのがポイントです。ルールが固定ではなく更新されていくものだとわかると、中学生も協力しやすくなります。
中学生の家庭でよく使われるルールの実例
中学生の家庭では、たとえば次のようなルールが定着しやすいようです。
- 夜は決まった時間以降、スマホをリビングに置く
- テスト1週間前は利用時間を短くする(終わったら戻す)
- SNSで知らない人と個人情報をやり取りしない
- 課金は事前に相談する(承認制の設定と二重にする)
- 困ったことが起きたら、怒らないので必ず相談する
最後の項目は小学生のときと同じく、中学生でも最重要です。ネットいじめや金銭トラブルは、発覚が遅れるほど深刻になります。
ルールを破ったときの対応も、先に決めておく
破ったときの対応を事後に決めると、感情的な取り上げ合戦になりがちです。「1回目は翌日の利用時間を短縮、続いたら設定を一段階戻す」のように、回復可能なペナルティを先に合意しておくと、ルール違反が親子関係の悪化につながりにくくなります。
スマホの没収を最初の手段にするのは避けましょう。連絡手段を失う不安から、子どもがトラブルを隠す方向に働きやすいためです。
中学生のスマホ費用と、よくある質問
中学生になると動画やSNSでデータ使用量が増え、通信費の見直しも課題になります。 制限の話し合いとあわせて、料金も点検しておきましょう。
通信費を格安SIMで抑える
スクリーンタイムもファミリーリンクも端末側の無料機能なので、通信会社を替えても見守りはそのまま使えます。通信費を抑えたい場合は、格安SIM(大手キャリアより料金を抑えやすい通信サービス)への乗り換えが選択肢になります。
中学生の通信量で効いてくるのが、使った容量の段階に応じて支払う仕組みです。格安SIM「BB.exciteモバイル」の段階制Fitプランは、音声通話SIMの場合、3GBまで月額690円、7GBまで月額1,190円、14GBまで月額1,650円(税込)。部活で使わない月は安く、長期休みに増えた月はその段階分だけの支払いになります。初期費用と解約手数料は0円です。
光回線「BB.excite光」とのセット割を使うと、音声通話つきSIMは1枚あたり月額220円割引になります。割引は最大5枚(合計1,100円)まで適用され、契約後のSIM追加・再発行には別途手数料がかかることがあります。対応回線はドコモ回線・au回線です。
B.exciteモバイルはドコモ回線・au回線に対応しています。
▶ BB.exciteモバイル公式サイト
よくある質問(FAQ)
Q. 中学生になったら、フィルタリングは外してもいいですか?
A. 18歳未満が使うスマホへのフィルタリング提供は法律上の原則であり、中学生で外すことはおすすめしません。年齢に合わせて制限レベルを調整しながら、高校生まで続けるのが基本です。
Q. 「制限を全部外してほしい」と言われたら、どう答えればいいですか?
A. 全部かゼロかで答えず、仕分けを提案しましょう。「時間の管理は任せる。ただし課金の承認とフィルタリングは高校生まで続ける」のように、任せる領域を明確に広げると、多くの場合は受け入れられます。
Q. 子どもが設定を勝手に解除してしまいませんか?
A. ファミリーリンクでは、解除の操作は子ども本人から始められますが、18歳未満の管理停止には保護者の承認が必要です。iPhoneでも、スクリーンタイム管理中の13歳以上19歳以下はファミリー共有を自分だけで抜けられません。詳細は「ファミリーリンクは13歳になるとどうなる?」「スクリーンタイムは13歳以上でも使える?」をご覧ください。
まとめ
中学生のスマホ制限について、この記事のポイントを振り返ります。
- 実態:中学生の8割超がスマホを利用し、95.3%が自分専用。平日のネット利用は各機器合計で平均約5時間2分
- 仕分け:フィルタリングと課金の承認は残し、時間の管理は「本人が決めて親が承認」へ移す
- 13歳の壁:GoogleもAppleも13歳でアカウントの扱いが変わる。仕組みを知ったうえで見守りを続ける
- ルール:親の「決めたつもり」と子の認識にはずれがある。文字にして共有し、見直しの時期も先に決める
- 費用:格安SIMなら使用量の増減に合わせて通信費を抑えやすい。見守りの設定は乗り換え後もそのまま使える
中学生の制限は、手放すための準備期間です。残すもの・任せるものを親子で仕分けながら、高校生までに自己管理へ引き継いでいきましょう。
▶ 小学生の制限の目安:小学生のスマホ制限はどこまで必要?
▶ Androidの13歳の変化:ファミリーリンクは13歳になるとどうなる?
▶ iPhoneの13歳の変化:スクリーンタイムは13歳以上でも使える?
▶ BB.exciteモバイル公式サイト




